日本語の「語幹」とは?動詞のどこが語幹なのかをわかりやすく解説
「語幹」って何?
カメちゃん
先生、「語幹」って何?
ツル先生
簡単にいうと、言葉が活用しても基本的に変わらない部分です。
カメちゃん
「幹」って、木の幹みたいな?
ツル先生
いいイメージですね。形が変化しても中心に残っている部分、と考えてみましょう。
日本語の文法を勉強していると、
語幹(ごかん)
という言葉が出てきます。
漢字を見ると、
語 + 幹
です。
木には、中心となる「幹」があり、そこから枝や葉が伸びていきます。
同じように、活用する言葉にも変化の中心となる部分があります。
今回は、日本語の「語幹」とは何かを、動詞を中心に見ていきましょう。
「食べる」の語幹を見てみよう
まず、「食べる」をいろいろな形に変えてみます。
食べる
食べます
食べない
食べた
食べれば
よく見ると、
「食べ」
という部分がずっと残っています。
食べる
食べます
食べない
食べた
食べれば
この「食べ」が語幹です。
カメちゃん
本当だ。「食べ」は変わらないね。
ツル先生
はい。その後ろの部分が変化していますね。
語幹と活用語尾
「食べる」は、大きく見ると、
食べ + る
と考えることができます。
食べが語幹です。
そして活用すると、
食べ + る
食べ + ない
食べ + ます
食べ + れば
のように、後ろの部分が変化します。
カメちゃん
木の幹はそのままで、枝の部分が変わる感じか。
ツル先生
イメージとしては分かりやすいですね。
「書く」の語幹は?
では、次は「書く」を見てみましょう。
書く
書きます
書かない
書けば
書こう
カメちゃん
あれ?「食べる」みたいに、きれいに同じ部分が残ってない。
ツル先生
そこが日本語の動詞を理解するうえで重要なところです。
「書く」では、
か・き・く・け・こ
のように、最後の音が変化します。
書かない
書きます
書く
書けば
書こう
このような動詞では、一般に「書(か)」の部分を語幹として考えます。
つまり、
書 + かない
書 + きます
書 + く
書 + けば
書 + こう
というように、語幹の後ろで音が変化していると考えることができます。
1グループと2グループでは見え方が違う
カメちゃん
「食べる」は簡単なのに、「書く」は急に難しくなった……。
ツル先生
動詞のグループによって、活用のしかたが違うからです。
2グループの動詞は、語幹が比較的見つけやすいです。
たとえば、
食べる → 食べ
見る → 見
起きる → 起き
寝る → 寝
です。
一方、1グループでは、
書く → 書
飲む → 飲
話す → 話
のように考えます。
活用すると、
飲まない・飲みます・飲む・飲めば・飲もう
話さない・話します・話す・話せば・話そう
のように、語幹の後ろの音が変わっていきます。
「ます」を取ったら語幹になる?
カメちゃん
分かった!「ます形」から「ます」を取れば語幹になるんだ!
ツル先生
2グループではそう見えることが多いですが、すべての動詞でそう考えることはできません。
たとえば、
食べます
から「ます」を取ると、
食べ
になります。
「食べる」の語幹も食べなので、きれいに一致します。
しかし、
書きます
から「ます」を取ると、
書き
です。
「書く」の語幹を書と分析する場合、
「書き」=語幹
ではありません。
カメちゃん
「ます」を取るだけでは駄目なのか。
ツル先生
「ますを取った形」と「語幹」は、同じものとして扱わないほうが安全ですね。
「ます」を取った形は何?
「書きます」から「ます」を取った、
書き
のような形は、日本語教育では文法項目によって、
「ます形から『ます』を取った形」
などと説明されることがあります。
たとえば、
書きながら
飲みながら
話しに行く
などを作るときです。
カメちゃん
わざわざ「ます形から『ます』を取った形」って言うの?長い!
ツル先生
でも「語幹」と呼んでしまうと、正確ではない場合があるんです。
語幹が分かると、活用が見えてくる
語幹を意識すると、動詞がバラバラに変化しているのではなく、
変わらない部分 + 変化する部分
という構造が見えてきます。
たとえば、
食べる
食べない
食べます
食べれば
と考えれば、「食べ」という意味の中心を残しながら、後ろを変えていることが分かります。
1グループでも、
書かない
書きます
書く
書けば
書こう
と並べると、活用の規則が見えやすくなります。
「語幹」は動詞だけの言葉ではない
カメちゃん
語幹って、動詞専用の言葉?
ツル先生
いいえ。活用するほかの品詞についても使います。
たとえば、イ形容詞の、
高い
を見てみましょう。
高い
高くない
高かった
高ければ
この場合、
「高」
の部分が語幹です。
つまり「語幹」は、動詞だけではなく、活用する言葉の構造を考えるための文法用語なのです。
語幹=言葉の「幹」と考えてみよう
カメちゃん
じゃあ「語幹」って、結局どう覚えればいい?
ツル先生
まずは「活用しても基本的に変わらない、言葉の中心部分」と考えてみましょう。

たとえば、
食べる → 食べ
書く → 書
飲む → 飲
高い → 高
です。
「語幹」という名前のとおり、
言葉という木の「幹」
をイメージすると分かりやすいでしょう。
カメちゃん
じゃあ「食べる」の語幹は「食べ」!
ツル先生
そうです。
カメちゃん
「食べます」の「ます」を取っても「食べ」!
ツル先生
それはたまたま今回は一致しています。
カメちゃん
まだ罠があるのか……。