意志動詞と無意志動詞の違いとは?見分け方をわかりやすく解説

意志動詞と無意志動詞とは?

日本語の動詞には、

意志動詞(いしどうし)

と

無意志動詞(むいしどうし)

という分類があります。

 

たとえば、

本を読む。

学校へ行く。

ドアを開ける。

などは、基本的に人が自分の意志で行うことができる動作です。

一方、

富士山が見える。

音が聞こえる。

日本語が分かる。

などは、「よし、今からそうしよう」と意志だけで自由に起こせるものではありません。

この違いが、

意志動詞

と

無意志動詞

を理解する基本になります。

カメちゃん

カメちゃん

自分で「やろう」と思ってできるかどうかってこと?

ツル先生

ツル先生

基本的にはそう考えると分かりやすいです。ただし、文脈によって変わる場合もあります。

1. 意志動詞とは?

意志動詞とは、人などが自分の意志によって行うことのできる動作を表す動詞です。

たとえば、

食べる

読む

書く

話す

勉強する

行く

などがあります。

私は本を読みます。

なら、

読むか、読まないか

を基本的には本人が選ぶことができます。

明日は勉強します。

でも、

勉強するか、しないか

は本人の意志によって決められます。

このように、

「自分でやろうと思って行うことができる」

という性質を持つ動詞が、意志動詞です。

 

代表的な意志動詞には、次のようなものがあります。

  • 食べる
  • 飲む
  • 読む
  • 書く
  • 話す
  • 聞く
  • 勉強する
  • 働く
  • 行く
  • 帰る
  • 歩く
  • 開ける
  • 閉める

などです。

たとえば、

今日は本を読みます。

明日は東京へ行きます。

窓を開けます。

などは、話し手や動作主の意志によって行われる動作として表すことができます。

2. 無意志動詞とは?

無意志動詞とは、基本的に主体の意志によって自由にコントロールできない出来事・状態・変化を表す動詞です。

たとえば、

見える

があります。

ここから富士山が見えます。

と言うことができます。

しかし、

「よし、富士山を見えることにしよう」

と意志だけで「見える」という状態を起こすわけではありません。

同じように、

音が聞こえる。

日本語が分かる。

なども、単純に本人の意志だけで発生させるものではありません。

このような動詞を無意志動詞と呼びます。

 

無意志動詞には、さまざまなタイプがあります。

たとえば、

  • 見える
  • 聞こえる
  • 分かる
  • できる
  • 壊れる
  • 割れる
  • 落ちる
  • 忘れる
  • 降る

などです。

雨が降る。

という出来事を、人が意志によって起こすことは通常できません。

コップが割れる。

も、「コップ」自身が意志を持って割れるわけではありません。

このように、自然現象・状態・能力・知覚・自然な変化などを表す動詞には、無意志動詞が多く見られます。

意志動詞と無意志動詞の違い

最も基本的な違いは、

その動作・出来事を主体が意志的にコントロールできるか

です。

たとえば、

本を読む。

なら、

読む/読まない

を本人が選べます。

そのため、

読む → 意志動詞

です。

一方、

富士山が見える。

では、

見える/見えない

を本人の意志だけで自由に選ぶことはできません。

そのため、

見える → 無意志動詞

と考えられます。

簡単に整理すると、

自分で「やる」と決めて実行できる

↓

意志動詞

自分の意志だけでは起こせない

↓

無意志動詞

となります。

意志動詞と無意志動詞の見分け方

では、実際に動詞を見たとき、意志動詞と無意志動詞をどう見分ければよいのでしょうか。

次の3つ方法を試してみましょう。

見分け方1:「~つもりだ」を付けてみる

意志動詞・無意志動詞を見分けるヒントの一つが、

~つもりだ

です。

「~つもりだ」は、話し手などの意図や予定を表すため、意志動詞と結びつきやすい表現です。

たとえば、

明日は勉強するつもりです。

は自然です。

来年、日本へ行くつもりです。

も自然です。

したがって、

勉強する

行く

は意志動詞だと考えることができます。

一方、

明日は富士山が見えるつもりです。

という文は、通常の意味では不自然です。

「見える」は、話し手が意志によって実行する動作ではないからです。

つまり、

~つもりだ

と自然に組み合わせられるかどうかは、一つの見分け方になります。

見分け方2:「~ようと思う」を付けてみる

~ようと思う

もヒントになります。

たとえば、

今日は早く寝ようと思います。

日本語を勉強しようと思います。

駅まで歩こうと思います。

などは自然です。

これらは、話し手がその行動をしようと意志を持つことができるからです。

一方、

富士山が見えようと思います。

のような表現は、意志を表す意味では通常使えません。

したがって、

「~ようと思う」と自然に言えるか

を見ることも、意志性を考えるヒントになります。

見分け方3:「~てください」を付けてみる

~てください

も分かりやすい方法です。

たとえば、

本を読んでください。

ここに名前を書いてください。

ドアを開けてください。

は自然です。

相手が自分の意志によって実行できる動作だからです。

一方、

富士山が見えてください。

日本語が分かってください。

のような表現は、通常の依頼としては不自然です。

相手が「見える」「分かる」という状態を直接意志でコントロールできないからです。

そのため、

「~てください」と自然に言えるか

も見分けるためのヒントになります。

同じ動詞でも意志的・無意志的になることがある

意志動詞と無意志動詞を理解するときに重要なのが、動詞を単語だけで完全に固定して考えないことです。

たとえば、

会う

を考えてみましょう。

明日、田中さんに会うつもりです。

なら、田中さんと会うことを予定しています。

この場合は意志的です。

一方、

駅で偶然、田中さんに会いました。

なら、田中さんに会うことを事前に意図していたとは限りません。

つまり、同じ動詞でも、実際の文脈によって意志性の強さが変わることがあります。

自然現象を表す動詞は無意志的になりやすい

自然現象を表す動詞も、無意志動詞の代表例です。

雨が降る。

風が吹く。

日が沈む。

などがあります。

雨や風、太陽が、人間のように意志を持ってその動作を選択しているわけではありません。

そのため、

明日は雨が降るつもりです。

のように意志を表す表現とは、通常組み合わせません。

まとめ:意志動詞と無意志動詞の違いを表で整理

意志動詞 無意志動詞
基本 主体が意志的に行える 主体の意志だけでは起こせない
例 読む・書く・行く・勉強する 見える・聞こえる・分かる・降る
~つもりだ 使いやすい 基本的に使いにくい
~ようと思う 使いやすい 意志の意味では使いにくい
~てください 使いやすい 基本的に使いにくい
ポイント 意志・意図・コントロール 状態・知覚・自然な変化など

ただし、実際の意志性は動詞だけでなく、主語・意味・文脈によって変化することがあります。

 

動詞の意志性を調べたいときは、まず、

自分の意志で「やる/やらない」を選べる?

と考えてみましょう。

さらに、

~つもりだ

~ようと思う

~てください

などと組み合わせられるかを見ると、判断のヒントになります。

たとえば、

勉強するつもりです。

↓

自然

↓

意志動詞

一方、

富士山が見えるつもりです。

↓

通常は不自然

↓

無意志動詞

と考えることができます。

 

カメちゃん

カメちゃん

動詞って「自動詞か他動詞か」だけじゃないんだね。

ツル先生

ツル先生

はい。「意志的にコントロールできるか」という別の見方もあります。