移動動詞とは?日本語の『に・へ・を・から』の使い分けをわかりやすく解説
移動動詞とは?
日本語には、
- 行く
- 来る
- 帰る
- 歩く
- 走る
- 飛ぶ
など、人や物の移動を表す動詞があります。
このような動詞を、一般に移動動詞(いどうどうし)と呼びます。
たとえば、
学校へ行きます。
では、人が学校の方向へ移動しています。
家に帰ります。
では、家を到着点とする移動が表されています。
公園を歩きます。
では、公園という場所の中を移動しています。
このように、移動動詞を使う文では、
どこから?
どこを?
どこへ?
どこに?
といった場所との関係が重要になります。
そのため、移動動詞を理解すると、格助詞の「から・を・へ・に」の違いも分かりやすくなります。
カメちゃん
「を」って「本を読む」のように、動作の対象を表す助詞じゃないの?
ツル先生
それだけではありません。移動動詞では、移動する経路や離れる場所を「を」で表すことがあります。
移動動詞の例
移動動詞には、さまざまなものがあります。
たとえば、
- 行く
- 来る
- 帰る
- 歩く
- 走る
- 進む
- 飛ぶ
- 泳ぐ
- 登る
- 降りる
- 入る
- 出る
- 通る
- 渡る
- 曲がる
などです。
ただし、これらがすべて同じように使われるわけではありません。
たとえば、
行く・来る
では移動の方向や到着点が重要になります。
通る・渡る・歩く
では、移動する経路を表すことができます。
出る
では、どこから離れるのかという離脱点を表すことができます。
つまり、「移動」という共通点はあっても、それぞれの動詞によって注目する場所の関係が異なります。
移動動詞では「場所との関係」が重要
移動を考えるときは、単に、
A地点 → B地点
だけを考えるのではなく、移動全体を次のように考えると分かりやすくなります。
出発点
↓
経路
↓
方向
↓
到着点
たとえば、
家から、公園を通って、学校へ行きます。
という文なら、
家
↓
から
↓
出発点
公園
↓
を
↓
経路
学校
↓
へ
↓
方向
という関係になっています。
移動動詞と一緒に使われる助詞を見ると、その場所が移動の中でどのような役割を持っているのかが分かります。
1. 「から」― 移動の出発点を表す
からは、移動が始まる場所を表すことができます。
たとえば、
家から学校へ行きます。
では、
家
が移動の出発点です。
家
↓
から
↓
学校へ行く
となります。
ほかにも、
東京から大阪へ行きます。
駅から歩きます。
日本からタイへ来ました。
などがあります。
移動動詞と一緒に使われる「から」は、
どこから移動が始まったのか
を示しているわけです。
2. 「へ」― 移動の方向を表す
へは、移動の方向を表します。
たとえば、
学校へ行きます。
では、
学校の方向へ移動する
ことを表しています。
日本へ来ます。
家へ帰ります。
などでも使えます。
「へ」は、
どちらの方向へ移動するのか
に注目する助詞だと考えると分かりやすいでしょう。
3. 「に」― 移動の到着点を表す
には、移動の到着点を表すことができます。
たとえば、
学校に行きます。
日本に来ます。
家に帰ります。
などです。
ここでは、
学校
日本
家
が、移動の行き着く場所として捉えられています。
つまり、
どこに到着するのか
を示しています。
4. 「を」― 移動する経路を表す
移動動詞で特に重要なのが「を」です。
たとえば、
公園を歩きます。
という文があります。
ここでの「公園」は、「歩く」という動作の対象ではありません。
公園という場所を移動している
のです。
つまり、この「を」は移動する経路・場所を表しています。
ほかにも、
道を歩きます。
橋を渡ります。
空を飛びます。
公園を走ります。
この道を通ります。
などがあります。
移動動詞では助詞が「地図」のように働く
移動動詞と一緒に使われる助詞をまとめると、移動の流れが見えてきます。
から
↓
出発点
を
↓
経路・離脱点
へ
↓
方向
に
↓
到着点
たとえば、
家から駅まで道を歩いて、学校へ行きます。
という文なら、
家から
↓
出発点
道を
↓
経路
学校へ
↓
方向
というように、助詞によって移動の構造を見ることができます。
助詞は単に名詞の後ろについているのではなく、場所と移動との関係を示しているのです。
移動動詞の見分け方
移動動詞かどうかを考えるときは、
人や物の位置が変わるか?
を考えると分かりやすいでしょう。
たとえば、
東京から大阪へ行く。
では、人の位置が東京から大阪へ変化します。
橋を渡る。
でも、橋の一方からもう一方へ位置が変わります。
階段を上る。
でも、下から上へ移動しています。
このように、
ある場所から別の場所へ位置が変化する
ことを表す動詞は、移動動詞として考えることができます。
まとめ:移動動詞を整理
最後にまとめておきましょう。
| 場所の役割 | 主な助詞 | 例 |
|---|---|---|
| 出発点 | から | 家から行く |
| 経路 | を | 公園を歩く |
| 離脱点 | を | 部屋を出る |
| 方向 | へ | 学校へ行く |
| 到着点 | に | 学校に行く |
| 動作場所 | で | 公園で運動する |
移動動詞とは、人や物の移動を表す動詞です。
代表的なものには、
- 行く
- 来る
- 帰る
- 歩く
- 走る
- 飛ぶ
- 入る
- 出る
- 通る
- 渡る
などがあります。
移動動詞を理解するときに重要なのが、場所と移動との関係です。
- から → 出発点
- を → 経路・離脱点
- へ → 方向
- に → 到着点
という基本的な関係があります。
カメちゃん
場所によって助詞が決まるんじゃないんだね。
ツル先生
そうです。その場所を「出発点・経路・方向・到着点」のどれとして捉えているかが重要です。