自動詞・他動詞のペアとは?有対動詞・無対自動詞・無対他動詞・自他動詞を解説

自動詞と他動詞は必ずペアになる?

日本語には、

ドアが開く。

ドアを開ける。

のように、自動詞と他動詞がペアになっている動詞があります。

開く

と

開ける

は、

開く → 自動詞

開ける → 他動詞

という関係です。

ほかにも、

閉まる ↔ 閉める

落ちる ↔ 落とす

壊れる ↔ 壊す

などがあります。

カメちゃん

カメちゃん

じゃあ、自動詞には必ず他動詞の相方がいるの?

ツル先生

ツル先生

いいえ。すべての自動詞と他動詞がペアになっているわけではありません。

日本語の動詞には、

自動詞・他動詞のペアがある動詞

もあれば、

対応する相方を持たない動詞

もあります。

さらに、一つの動詞が自動詞・他動詞の両方の用法を持つ場合もあります。

そこで重要になるのが、

  1. 有対動詞
  2. 無対自動詞
  3. 無対他動詞
  4. 自他動詞

という分類です。

1. 有対動詞(ゆうついどうし)とは?

有対動詞とは、自動詞と他動詞に対応関係がある動詞です。

たとえば、

開く ↔ 開ける

があります。

ドアが開く。

では、「開く」は自動詞です。

一方、

田中さんがドアを開ける。

では、「開ける」は他動詞です。

つまり、

ドアが開く

↕

ドアを開ける

という対応関係があります。

このように、自動詞と他動詞の相方が存在するものを有対動詞と考えることができます。

有対自動詞と有対他動詞とは?

有対動詞は、自動詞側と他動詞側に分けて考えることもできます。

開く ↔ 開ける

なら、

開く → 有対自動詞

開ける → 有対他動詞

です。

「開く」は自動詞ですが、「開ける」という対応する他動詞があります。

そのため有対自動詞です。

反対に、「開ける」は他動詞ですが、「開く」という対応する自動詞があります。

そのため有対他動詞です。

つまり、

有対自動詞と有対他動詞は、自他ペアのそれぞれの側

ということです。

有対動詞の例

日本語には、自動詞と他動詞が対応している動詞がたくさんあります。

有対自動詞 有対他動詞
開く 開ける
閉まる 閉める
つく つける
消える 消す
壊れる 壊す
割れる 割る
落ちる 落とす
入る 入れる
出る 出す
始まる 始める
決まる 決める
変わる 変える
上がる 上げる
下がる 下げる

これらは単語だけでなく、

ドアが開く ↔ ドアを開ける

電気がつく ↔ 電気をつける

コップが割れる ↔ コップを割る

荷物が落ちる ↔ 荷物を落とす

予定が決まる ↔ 予定を決める

のように、助詞も含めて覚えると分かりやすくなります。

2. 無対自動詞(むついじどうし)とは?

無対自動詞とは、対応する他動詞を持たない自動詞です。

たとえば、

子どもが寝る。

の「寝る」は自動詞です。

しかし、

開く ↔ 開ける

のように、「寝る」と語彙的に対応する他動詞があるわけではありません。

ほかにも、

子どもが泣く。

公園を歩く。

プールで泳ぐ。

などの「泣く」「歩く」「泳ぐ」は、自動詞として使われますが、対応する他動詞とのペアを持ちません。

このような動詞を無対自動詞と呼びます。

「寝かせる」は「寝る」の他動詞ではないの?

ここで疑問になるのが、

寝る → 寝かせる

という関係です。

たとえば、

子どもが寝る。

に対して、

母親が子どもを寝かせる。

と言うことができます。

カメちゃん

カメちゃん

だったら、「寝る」と「寝かせる」が自他のペアじゃないの?

ツル先生

ツル先生

似ていますが、「開く・開ける」のような自他の語彙的なペアとは区別して考えます。

「寝かせる」は、「寝る」という出来事をほかの人に起こさせる意味を持つ表現です。

このような使役的な関係と、

開く ↔ 開ける

落ちる ↔ 落とす

のような自動詞・他動詞の語彙的な対応は、同じものではありません。

そのため、

別の文法形式を使えば他動詞的な内容を表現できる

ことと、

対応する他動詞を持っている

ことは分けて考える必要があります。

3. 無対他動詞(むついたどうし)とは?

無対他動詞とは、対応する自動詞を持たない他動詞です。

たとえば、

私は本を読みます。

の「読む」は他動詞です。

本を読む

というように、動作の対象を取ります。

しかし、「読む」と語彙的に対応する自動詞があるわけではありません。

同じように、

ご飯を食べる。

の「食べる」も他動詞ですが、

開く ↔ 開ける

のように対応する自動詞を持つわけではありません。

このような動詞を無対他動詞と呼びます。

他動詞だから自動詞の相方がいるとは限らない

自動詞・他動詞を学習すると、

消える ↔ 消す

落ちる ↔ 落とす

壊れる ↔ 壊す

のようなペアがたくさん出てきます。

そのため、

他動詞には必ず対応する自動詞がある

ように感じるかもしれません。

しかし、

本を読む。

ご飯を食べる。

などを見ると、そうではないことが分かります。

つまり、

自動詞にも「ペアあり・ペアなし」がある

他動詞にも「ペアあり・ペアなし」がある

ということです。

4. 自他動詞(じたどうし)とは?

ここまで、

開く ↔ 開ける

のように形の異なる自動詞・他動詞を見てきました。

しかし、日本語には同じ形の動詞が、自動詞としても他動詞としても使われる場合があります。

このような動詞を自他動詞と呼ぶことがあります。

重要なのは、

有対動詞 → 自動詞と他動詞が別の語として対応する

のに対して、

自他動詞 → 一つの動詞が自動詞・他動詞の両方の用法を持つ

という違いです。

有対動詞と自他動詞の違い

有対動詞の場合は、

自動詞:開く

他動詞:開ける

のように、二つの異なる動詞があります。

つまり、

開く ↔ 開ける

という二語のペアです。

一方、自他動詞では、一つの語が文の中で自動詞として使われたり、他動詞として使われたりします。

そのため、

有対動詞

↓

二つの動詞が対応する

自他動詞

↓

一つの動詞に自動詞・他動詞の両方の用法がある

と整理すると分かりやすいでしょう。

なお、どの動詞を自他動詞として扱うかは、語義や辞書の分類によって確認が必要な場合があります。

まとめ

日本語の自動詞と他動詞は、すべてが一対一のペアになっているわけではありません。

対応する自動詞・他動詞がある

↓

有対

対応する自動詞・他動詞がない

↓

無対

と考えることができます。

たとえば、

開く ↔ 開ける

では、

開く → 有対自動詞

開ける → 有対他動詞

です。

 

一方、

寝る・歩く

など、対応する他動詞を持たない自動詞は無対自動詞です。

読む・食べる

など、対応する自動詞を持たない他動詞は無対他動詞です。

さらに、同じ形の動詞が自動詞・他動詞の両方の用法を持つ場合には、自他動詞と呼ばれることがあります。

ポイントは、

① 自動詞か、他動詞か

↓

② 対応する相方があるか、ないか

という順番で考えることです。

つまり、

自動詞 + 相方あり → 有対自動詞

自動詞 + 相方なし → 無対自動詞

他動詞 + 相方あり → 有対他動詞

他動詞 + 相方なし → 無対他動詞

です。

そして、有対動詞は、

開く ↔ 開ける

だけでなく、

ドアが開く ↔ ドアを開ける

のように、助詞まで含めた文の形で覚えると、自動詞・他動詞の違いも理解しやすくなります。

 

カメちゃん

カメちゃん

自動詞と他動詞って、全部がセットになっているわけじゃなかったんだ。

ツル先生

ツル先生

そうです。「自動詞か他動詞か」と「相方があるかないか」は分けて考えると分かりやすいですよ。