3分でわかる!感情形容詞と属性形容詞の違い〜見分け方をわかりやすく解説〜
「うれしい」と「大きい」は何が違う?
カメちゃん
先生、「うれしい」も「大きい」もイ形容詞だよね?
ツル先生
そうですね。でも、意味から見ると別のグループに分けて考えることができます。
カメちゃん
また形容詞を分けるの?
ツル先生
今度は「イ形容詞・ナ形容詞」とは別の分け方です。
日本語の形容詞は、意味の面から、
- 感情形容詞(かんじょうけいようし)
- 属性形容詞(ぞくせいけいようし)
に分けて考えることがあります。
たとえば、
うれしい
は、人の感情を表します。
一方、
大きい
は、人や物の性質を表します。
今回は、感情形容詞と属性形容詞の違い・見分け方について見ていきましょう。
感情形容詞とは??
感情形容詞とは、主に人の感情・感覚・欲求など、内面的な状態を表す形容詞です。
たとえば、
- うれしい
- 悲しい
- 寂しい
- 怖い
- 恥ずかしい
- 欲しい
などがあります。
例文を見てみましょう。
私は合格してうれしい。
私は一人で寂しい。
私は犬が怖い。
私は新しいパソコンが欲しい。
これらは、話し手の心の中の状態を表しています。
カメちゃん
外から見えるものじゃなくて、「本人がどう感じているか」なんだね。
ツル先生
そうです。そこが重要なポイントです。
属性形容詞とは??
一方、属性形容詞は、人・物・場所などの性質や状態を表す形容詞です。
たとえば、
- 大きい
- 小さい
- 高い
- 重い
- 赤い
- 静か
- 便利
などがあります。
この犬は大きい。
このかばんは重い。
この花は赤い。
この町は静かだ。
このアプリは便利だ。
これらは、話し手の感情ではなく、そのものが持っている性質や状態について述べています。
カメちゃん
「私はどう感じる?」じゃなくて、「それはどんなもの?」に答えている感じか。
ツル先生
いい捉え方ですね。
感情形容詞と属性形容詞の見分け方
基本的には、
- 誰かがそう感じている → 感情形容詞
- 人や物がそのような性質・状態を持っている → 属性形容詞
と考えると分かりやすいでしょう。
たとえば、
私は犬が怖い。
「怖い」と感じているのは「私」です。
そのため、この「怖い」は感情を表しています。
一方、
この犬は大きい。
「大きい」は犬の性質です。
そのため、こちらは属性を表しています。
カメちゃん
「心の中」なら感情、「そのものの特徴」なら属性!
ツル先生
まずは、そのように考えると分かりやすいですね。
イ形容詞・ナ形容詞とは別の分類
カメちゃん
じゃあ「感情形容詞=イ形容詞」で、「属性形容詞=ナ形容詞」?
ツル先生
いいえ。この二つは分類の基準が違います。
イ形容詞・ナ形容詞は、主に文法的な形や活用による分類です。
イ形容詞・ナ形容詞の違い|見分け方と活用を例文で解説 – Nihongo Craft一方、
感情形容詞・属性形容詞は、主に意味による分類です。
たとえば、
- うれしい → イ形容詞 + 感情形容詞
- 大きい → イ形容詞 + 属性形容詞
- 静か → ナ形容詞 + 属性形容詞
となります。
カメちゃん
同じ言葉を、違う方向から分類してるんだ。
ツル先生
そのとおりです。
感情形容詞には「誰が感じているか」がある
感情形容詞を理解するときに重要なのが、
誰がその感情を感じているのか
です。
たとえば、
私はうれしい。
なら、「うれしい」と感じているのは「私」です。
私は犬が怖い。
なら、「怖い」と感じているのも「私」です。
つまり、感情形容詞には感情や感覚の主体が存在します。
カメちゃん
「大きい」には「大きいと感じている人」がいなくてもいいけど、「うれしい」には「うれしい人」がいるんだね。
ツル先生
そう考えると、違いが見えやすくなります。
なぜ「私はうれしい」と言えるの?
感情形容詞には、日本語を学ぶうえでもう一つ重要な特徴があります。
それは、話し手自身の感情と、他人の感情では表現のしかたが変わることがあるという点です。
自分自身についてなら、
- 私はうれしい。
- 私は悲しい。
- 私は寂しい。
- 私は怖い。
のように言えます。
自分の感情は、自分自身が直接経験しているからです。
カメちゃん
自分がうれしいかどうかは、自分で分かるもんね。
ツル先生
では、田中さんの心の中はどうでしょう?
カメちゃん
……本人じゃないから、本当のところは分からない。
第三者の感情はそのまま言い切りにくい
たとえば、田中さんが試験に合格したとします。
自分についてなら、
私はうれしい。
と言えます。
しかし、話し手が第三者である田中さんの感情について述べる場合には、
田中さんはうれしそうだ。
田中さんはうれしがっている。
田中さんはうれしいと言っている。
などの表現が使われます。
カメちゃん
他人の心の中を直接見たみたいに言わないんだ。
ツル先生
そうですね。見た様子や本人の発言などを通して表現することがあります。
これは、日本語の感情表現を理解するうえで重要な特徴の一つです。
「〜がる」を使うこともある
感情を表す形容詞の中には、「〜がる」を付けて、外から観察できる様子を表せるものがあります。
たとえば、
怖い
↓
怖がる
寂しい
↓
寂しがる
恥ずかしい
↓
恥ずかしがる
などです。
子どもが犬を怖がっている。
妹が一人で寂しがっている。
のように使います。
カメちゃん
「怖い」は心の中で、「怖がる」はその気持ちが外に出てる感じ?
ツル先生
初級では、そのイメージで理解すると分かりやすいでしょう。
じゃあ「この映画は怖い」は?
カメちゃん
先生、問題を見つけました。
ツル先生
何でしょう?
カメちゃん
「この映画は怖い」って言うよね?映画に感情はないよ。
ツル先生
いいところに気づきましたね。
「怖い」は、
私は犬が怖い。
のように、経験する人の感情を表すことができます。
一方、
この映画は怖い。
あの先生は怖い。
夜の山は怖い。
のような表現もあります。
この場合は、対象について「人に恐怖を感じさせるような性質がある」と述べています。
つまり、同じ形容詞でも、文脈や使い方によって意味の現れ方が変わることがあります。
カメちゃん
じゃあ、単語を見ただけで全部きれいに二つに分けられるわけじゃないの?
ツル先生
そうです。意味による分類なので、実際の使われ方を見ることも大切です。
「欲しい」にも注目してみよう
「欲しい」も、感情形容詞として理解しやすい言葉です。
私は新しい靴が欲しい。
この文では、
私
が「欲しい」と感じています。
そのため、第三者については、
弟は新しい靴を欲しがっている。
のような表現が使われます。
カメちゃん
「私は靴が欲しい」だけど、「弟は靴を欲しがっている」になるんだ。
ツル先生
そうです。「欲しい」と「欲しがる」では、文の形にも違いが現れます。
感情形容詞を学ぶことは、単に形容詞を分類するだけではなく、「が」と「を」の使い方や、「〜がる」の文法を理解することにもつながります。
まとめ
ツル先生
最後に整理しましょう。
感情形容詞は、人の感情・感覚・欲求などを表します。
- うれしい
- 悲しい
- 寂しい
- 怖い
- 恥ずかしい
- 欲しい
一方、属性形容詞は、人や物などの性質・状態を表します。
- 大きい
- 小さい
- 高い
- 重い
- 赤い
- 静か
- 便利
見分けるときは、
- 「誰かがそう感じている」→ 感情
- 「そのものがどんな性質・状態か」→ 属性
という違いを考えると分かりやすいでしょう。
ただし、これは意味による分類なので、実際の文では使われ方によって解釈が変わることもあります。
カメちゃん
なるほど。「私は先生が怖い」なら感情だね。
ツル先生
そうですね。
カメちゃん
「先生は怖い」なら?
ツル先生
……授業を続けましょう。