直接受身と間接受身の違いとは?見分け方・例文をわかりやすく解説

直接受身と間接受身とは?

日本語の受身には、大きく分けて、

直接受身

と

間接受身

があります。

 

たとえば、

田中さんが先生にほめられました。

これは直接受身です。

一方、

私は雨に降られました。

これは間接受身です。

どちらも「~られる」という受身の形を使っていますが、文の仕組みが違います。

 

カメちゃん

カメちゃん

どっちも「~られる」だから、形だけでは見分けられないの?

ツル先生

ツル先生

はい。動詞の形だけでなく、もとの能動文との関係を見ると分かりやすくなります。

1. 直接受身(ちょくせつうけみ)とは?

能動文で動作の対象などになっていた人や物が、受身文の主語になる受身です。

たとえば、

先生が田中さんをほめました。

という能動文があります。

これを受身にすると、

田中さんが先生にほめられました。

となります。

構造を見ると、

先生が田中さんをほめる。

↓

田中さんが先生にほめられる。

となっています。

能動文の、

田中さんを

が、受身文では、

田中さんが

になっています。

つまり、もとの能動文で動作の対象だった「田中さん」を中心にして、同じ出来事を表現しています。

直接受身の例文

たとえば、

犬が私をかみました。

↓

私は犬にかまれました。

があります。

能動文には、すでに「私」が存在しています。

犬が

↓

私を

↓

かむ

という関係です。

それを、

私は

↓

犬に

↓

かまれる

と、私の側から表現しています。

これが直接受身です。

物が主語になる直接受身もある

直接受身では、人だけでなく物が主語になることもあります。

たとえば、

多くの人がこの本を読んでいます。

を、

この本は多くの人に読まれています。

と表すことができます。

ここでも、

この本を

↓

この本は

となっています。

もとの能動文に存在していた「この本」が受身文の中心になっているため、直接受身と考えることができます。

2. 間接受身とは?

間接受身では、直接受身とは少し違ったことが起こります。

代表的な例が、

私は雨に降られました。

です。

この文のもとになる出来事を考えてみましょう。

雨が降りました。

です。

ここで重要なのは、

「雨が降る」という文には「私」がいない

ということです。

 

雨が降る。

↓

その出来事によって私が影響を受ける

↓

私は雨に降られる。

 

となっています。

つまり間接受身では、もとの出来事に直接参加していなかった人物を、その出来事から影響を受けた人物として主語にすることができます。

直接受身と間接受身の見分け方

直接受身と間接受身の見分け方は次の2つ。

見分け方1:能動文に戻してみる

直接受身と間接受身を見分けるときは、まず受身文を能動文に戻してみると分かりやすくなります。

たとえば、

私は先生にほめられました。

を能動文に戻します。

先生が私をほめました。

となります。

「私」は能動文にも存在しています。

↓

直接受身

です。

では、

私は雨に降られました。

を考えてみましょう。

もとの出来事は、

雨が降りました。

です。

そこには「私」はいません。

↓

間接受身

と判断できます。

見分け方2:受身文の主語がもとの出来事に直接参加している?

さらに簡単に考えるなら、

受身文の主語が、もとの出来事に直接参加しているか?

を見てみましょう。

私は犬にかまれた。

↓

もとの文

↓

犬が私をかんだ。

「私」がいる

↓

直接受身

一方、

私は雨に降られた。

↓

もとの文

↓

雨が降った。

「私」はいない

↓

間接受身

です。

「私は弟にケーキを食べられた」は間接受身

間接受身の代表的な例として、

私は弟にケーキを食べられました。

があります。

まず、もとの出来事を考えてみましょう。

弟がケーキを食べました。

です。

この文には、

弟

ケーキ

はあります。

しかし、

私

はいません。

ところが、

弟がケーキを食べたことで、私が影響を受けた

ため、

私は弟にケーキを食べられました。

という受身文を作ることができます。

したがって、これは間接受身です。

「ケーキが弟に食べられた」なら直接受身

では、

ケーキが弟に食べられました。

ならどうでしょうか。

もとの能動文は、

弟がケーキを食べました。

です。

ここには、

ケーキ

がすでにあります。

弟がケーキを食べる。

↓

ケーキが弟に食べられる。

となっているため、これは直接受身です。

同じ、

弟がケーキを食べた

という出来事からでも、

ケーキが弟に食べられた。

↓

直接受身

私は弟にケーキを食べられた。

↓

間接受身

という二種類の受身文を考えることができます。

まとめ:直接受身と間接受身を比較

直接受身 間接受身
基本 もとの能動文の参加者を主語にする 出来事から影響を受ける人物を主語にする
例 私は先生にほめられた 私は雨に降られた
もとの文 先生が私をほめた 雨が降った
受身文の主語 もとの文にいる もとの出来事の外側から加わる
自動詞から作れる? 基本的には他動詞との関係が中心 作れる
影響・迷惑の意味 必須ではない 生じやすい

 

直接受身と間接受身は、単なる受身形の違いではありません。

直接受身では、

もともと出来事に参加している人物・物

を中心にします。

先生が私をほめる

↓

私が先生にほめられる

です。

一方、間接受身では、

出来事から影響を受けた人物

を文の中心に加えることができます。

雨が降る

↓

私がその影響を受ける

↓

私は雨に降られる

となります。

この違いを理解すると、日本語の受身が単純な「~される」ではないことが見えてきます。

 

カメちゃん

カメちゃん

「~られる」の形を見るだけじゃなくて、能動文に戻せばいいんだね。

ツル先生

ツル先生

はい。特に「受身文の主語が、もとの出来事の中にいるか」を見ると違いが分かりやすくなります。