日本語の動詞の分類一覧|自動詞・他動詞から意志動詞・状態動詞までわかりやすく解説
日本語の動詞にはどんな分類がある?
日本語の動詞を勉強していると、
- 自動詞
- 他動詞
- 意志動詞
- 無意志動詞
- 状態動詞
- 継続動詞
- 瞬間動詞
- 移動動詞
- 本動詞
- 補助動詞
など、たくさんの分類が出てきます。
カメちゃん
動詞の種類、多すぎない?
ツル先生
多く見えますが、実は全部を一つの基準で分類しているわけではありません。
ここが重要です。
日本語の動詞には、
一つの分類方法があって、その中にたくさんの種類がある
わけではありません。
異なる観点から同じ動詞を分類している
のです。
たとえば、
走る
という動詞は、
自動詞
でもあり、
意志動詞
として使うことができ、
動作を表す動詞
でもあり、
継続動詞
でもあり、
移動動詞
でもあります。
つまり、
「走るは何動詞?」
という質問には、一つだけの答えがあるわけではないのです。
動詞の分類は「何を基準にしているか」が重要
日本語の動詞分類を理解するときは、
分類名
だけを覚えるのではなく、
何を基準に分けているのか?
を見ることが重要です。
大きく整理すると、たとえば次のような分類軸があります。
| 分類する観点 | 主な分類 |
|---|---|
| 文の構造・対象との関係 | 自動詞・他動詞 |
| 自他の対応関係 | 有対動詞・無対動詞・自他動詞 |
| 意志・コントロール | 意志動詞・無意志動詞 |
| 状態か動作・変化か | 状態動詞・動作動詞 |
| 時間的な性質 | 継続動詞・瞬間動詞など |
| 意味 | 移動動詞・知覚動詞・授受動詞など |
| 文中での働き | 本動詞・補助動詞 |
それぞれ違う質問をしていると考えると、整理しやすくなります。
1. 自動詞・他動詞
まず重要なのが、
自動詞
と
他動詞
です。
【日本語】自動詞と他動詞の違い・見分け方をわかりやすく解説 – Nihongo Craft
たとえば、
ドアが開きます。
田中さんがドアを開けます。
を比べてみましょう。
ドアが開く。
では、ドアに「開く」という変化が起きています。
一方、
田中さんがドアを開ける。
では、田中さんがドアに働きかけています。
開く
↓
自動詞
開ける
↓
他動詞
という対応があります。
自動詞・他動詞では、動詞と文の要素との関係を見ることが重要です。
2. 有対動詞・無対動詞
自動詞・他動詞には、対応する相方が存在するものがあります。
たとえば、
開く ― 開ける
閉まる ― 閉める
付く ― 付ける
などです。
このように、自動詞と他動詞の対応するペアがあるものを有対動詞として考えることができます。
自動詞・他動詞のペアとは?有対動詞・無対自動詞・無対他動詞・自他動詞を解説 – Nihongo Craft
一方、すべての動詞に対応する自動詞・他動詞があるわけではありません。
対応する他動詞を持たない自動詞は、
無対自動詞
対応する自動詞を持たない他動詞は、
無対他動詞
と呼ばれます。
さらに、同じ形の動詞が自動詞・他動詞の両方として使われるものを自他動詞と呼ぶことがあります。
ここでは、
自動詞か他動詞か
だけでなく、
対応する相方が存在するか
を見ています。
3. 意志動詞・無意志動詞
次の分類軸は、
意志
です。
意志動詞は、主体が意志的に行える動作を表す動詞です。
意志動詞と無意志動詞の違いとは?見分け方をわかりやすく解説 – Nihongo Craftたとえば、
食べる
読む
走る
勉強する
などです。
明日、本を読もう。
日本語を勉強しよう。
のように、意志を表すことができます。
一方、
分かる
見える
聞こえる
などは、主体の意志だけで自由に成立させることが難しいものです。
このような動詞は無意志動詞として扱われます。
つまり、この分類で見ているのは、
主体がその出来事を意志的にコントロールできるか?
という点です。
4. 状態動詞・動作動詞
次は、
状態を表すのか
動作・出来事・変化を表すのか
という分類です。
状態動詞と動作動詞の違いとは?日本語での見分け方をわかりやすく解説 – Nihongo Craft
たとえば、
机の上に本がある。
の「ある」は、存在している状態を表しています。
一方、
田中さんが走る。
の「走る」は、動作を表しています。
簡単に整理すると、
状態が成立している
↓
状態動詞
動作・出来事・変化が起こる
↓
動作動詞
という違いです。
5. 継続動詞・瞬間動詞
動詞は、時間の中で出来事がどのように成立するかという観点からも分類できます。
継続動詞と瞬間動詞の違いとは?見分け方をわかりやすく解説 – Nihongo Craft
たとえば、
読む
という動作には、
読み始める
↓
読んでいる
↓
読み終わる
という時間的な広がりがあります。
このような動詞を継続動詞と呼びます。
一方、
着く
では、
未到着
↓
着く
↓
到着済み
という状態の変化・成立が重要になります。
このような動詞を瞬間動詞と呼びます。
ここでの「瞬間」は、現実世界で必ず一瞬で終わるという意味ではありません。
状態が変わる成立点を捉える
という点が重要です。
6. 移動動詞
移動動詞は、人や物の移動を表す動詞です。
たとえば、
- 行く
- 来る
- 帰る
- 歩く
- 走る
- 飛ぶ
- 入る
- 出る
- 渡る
- 通る
などがあります。
この分類では、
その動詞が移動という意味を持っているか
を見ています。
移動動詞を理解すると、
家から行く
道を歩く
学校へ行く
学校に着く
など、場所を表す格助詞の理解にもつながります。
から → 出発点
を → 経路・離脱点
へ → 方向
に → 到着点
という関係があります。
7. 本動詞・補助動詞
本動詞・補助動詞は、動詞が文の中でどのように働いているかを見る分類です。
本動詞と補助動詞の違いとは?日本語での見分け方をわかりやすく解説 – Nihongo Craftたとえば、
映画を見る。
の「見る」は、実際に目で見るという本来の意味を持っています。
↓
本動詞
一方、
食べてみる。
の「みる」は、実際に目で見るという意味ではありません。
試しに食べる
という意味を加えています。
↓
補助動詞
です。
ほかにも、
本を机に置く。
↓
「置く」=本動詞
準備しておく。
↓
「おく」=補助動詞
のような違いがあります。
一つの動詞が複数の分類に入る
ここが、日本語の動詞分類を理解するうえで最も重要なポイントです。
一つの動詞は、一つの分類にしか入れないわけではありません。
たとえば、
走る
を考えてみましょう。
「走る」は、
自動詞
です。
また、自分の意志で走る場合には、
意志動詞
として使えます。
「走る」という動作を表すため、
動作動詞
です。
さらに、
走っている
と言えば走る途中を表せるため、
継続動詞
です。
そして、人が場所を移動するという意味では、
移動動詞
でもあります。
まとめ:日本語の動詞分類を整理すると
日本語の動詞分類を学ぶときは、次のように考えると整理しやすくなります。
文の構造を見る
↓
自動詞・他動詞
自他のペアを見る
↓
有対動詞・無対動詞・自他動詞
意志を見る
↓
意志動詞・無意志動詞
状態か動作かを見る
↓
状態動詞・動作動詞
時間的な性質を見る
↓
継続動詞・瞬間動詞など
文中での働きを見る
↓
本動詞・補助動詞
というように、まず分類軸を確認しましょう。
カメちゃん
分類がたくさんあるんじゃなくて、見る角度がたくさんあるんだね。
ツル先生
その通りです。分類名を暗記するより、「何を基準に分けているのか」を理解することが大切です。